頭のかたち外来(ヘルメット治療)

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頭のかたち外来は、一般の小児科ではなく専門の診療科です。

頭のかたちを改善するヘルメット治療は、赤ちゃんの頭の形のゆがみを整える治療法です。赤ちゃんの頭の骨は柔らかく、日常生活のちょっとしたことでゆがんでしまうため、頭蓋形状矯正ヘルメットを装着して自然な頭の形に成長を促します。

ヘルメット治療は必ず行う必要はなく、ゆがみの程度が軽度であった場合や、生後3ヶ月未満の早期で受診した場合などでは、体位変換の指導のみで改善することもあります。

目次

頭のかたち外来とは

赤ちゃんの頭のかたち外来とは、斜頭、絶壁、向き癖、など赤ちゃんの頭のかたちに特化して診療を行う外来のことです。小児科医や小児脳外科医、小児形成外科医などが在籍し、あらゆる観点から赤ちゃんの頭のかたちについて診療します。

当院では、京都立小児総合医療センター 脳神経外科部長 井原哲先生が担当しており、赤ちゃんの頭のかたちについて専門的な診断を受けることができます。

 

赤ちゃんの頭のかたち外来は、一般の小児科と比較して頭のゆがみの治療に特化している点が特徴です。

 

一般的に、小児科の医師は内科外科問わず子どもの病気に幅広く対応します。それに対し、脳神経外科の医師は頭部の病気、形成外科の医師は病気やけがなどで見た目に問題が生じた部位の改善を専門として診療にあたります。赤ちゃんの頭のかたち外来では一般の小児科では充分にカバーできない頭部の病気や頭のゆがみに対応できるのです。

頭のゆがみについて

赤ちゃんの頭がゆがむ原因は、大きく分けて2つあります。

骨が早期にくっついてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」に代表される病気によってゆがんでしまう「病的頭蓋変形」と、子宮内、お産時、むきぐせなど外部からの圧力を受けてゆがんでしまう「位置的頭蓋変形」があります。

 

まずは赤ちゃんの頭のかたちのゆがみが病気によるものか、病気でないものか適切な頭蓋健診を受けることが必要です。

 

赤ちゃんの頭のかたち外来を受診する時期は、頭のゆがみが気になった時点で、遅くとも生後6ヶ月頃までがよいでしょう。頭のかたちがやわらかい生後2〜6ヶ月が治療開始の適齢期とされています。治療開始時期を逃さないため、病気の早期発見のためにも早めの受診をおすすめします。

赤ちゃんの頭のかたちがゆがむパターンには、次のようなものがあります。

斜頭症:平行四辺形に見え、耳の位置に左右差がある
短頭症(絶壁頭):頭の前後の長さが通常より短い
長頭症:頭の前後の長さが横幅よりも長い

これらの「頭のかたちのゆがみ」について解説します。

斜頭症

向きぐせや斜頸のある赤ちゃんによく見られます。

  • 頭頂からみると、平行四辺形に見えることがあります。
  • 耳の左右差があることがあります

主に寝ているときの向きぐせ、つまり「寝ぐせ」が一般的な原因です。就寝時以外にも、いつも同じ方向に抱っこしていることや、子宮内が狭いといった出産時の環境によって斜頭症が起こることもあります。

短頭症(絶壁頭)

仰向け寝の時間が長い赤ちゃんによく見られます。

  • よく「絶壁頭」と言われています。
  • 頭の前後の長さが通常より短いのが特徴です。

日本ではポピュラーとも言える頭のゆがみで、短頭症は主に赤ちゃんを仰向けで寝かせていることによって起こります。日本では昔から仰向けで赤ちゃんを寝かせることが一般的だったため、短頭症の赤ちゃんは多くいたと考えられます。

長頭症

頭の前後の長さが横幅よりも長く、頭のかたちを上からや横から見ると明らかに長くなっているもので後頭部が大きく突き出している状態です。

主に横向きで寝かせられていることが原因です。たとえばNICU(新生児集中治療室)で長期間治療を受けている赤ちゃんは、処置の関係で横向きに寝かせられていることが多いのです。そのため、長頭症になりやすいと言われています。

 

長頭症は、頭蓋骨縫合早期癒合症という先天的な病気の一種である、矢状縫合早期癒合で現れる頭のかたちに似ています。

頭蓋骨縫合早期癒合症は何らかの原因で早期に赤ちゃんの頭蓋骨がくっついてしまう病気で、そのままでは赤ちゃんの脳の発育に影響が及ぶため早めの治療が必要です。

 

頭のかたちのゆがみを防ぐには、生後から生後6か月頃まで腹ばいになる機会を取り入れることが効果的です。保護者のお腹の上や固いマットの上で腹ばいになることで頭のかたちのゆがみを軽減できます。

頭のかたちがゆがんでいるときは、体の向きや寝方を変えて、いつも同じ側が下にならないようにします。また、枕などを用いて、へこんでいる側をベッドなどに接地させず、圧力をかけないようにしましょう。重症例ではヘルメット治療が勧められる場合があります。

ヘルメット治療とは

赤ちゃんに頭蓋形状矯正ヘルメットを装着し、頭の成長を調整する方法です。1998年に米国で初めて医療機器として承認され、日本では2018年に承認された治療法です。

 

ヘルメット治療とは、何らかの原因で生じた赤ちゃんのゆがみに対して行われる治療法でオーダーメイドで作成したヘルメットを赤ちゃんが長時間かぶることで、頭を正常な形へと導いていくことを目的としています。

 

自然矯正が困難なクラス3以上の場合、矯正ヘルメット治療が推奨されます。

クラス1
一側の後頭部扁平のみ、もしくはごく軽度の同側耳介変位を伴う(変位<1cm)。

クラス2
一側の後頭部扁平に伴って、同側の耳介変位を大きく認める(変位>1cm)。 ただし、前額部、顔面骨の変形は認めない。

クラス3
一側の後頭部扁平に伴い、耳介変位を大きく認める(変位>1cm)。 さらに、同側前額部の突出に伴った顔面骨の変形を認める。

クラス4
一側の後頭部扁平に伴い、耳介変位を大きく認める(変位>1cm)。 さらに、同側前額部の突出に伴った顔面骨の変形によって、眼窩骨の変形および頬部、下顎骨の変形を認める。

ヘルメット(ベビーバンド)をかぶることにより、頭の平らになってしまった部分を保護して自然な成長をうながします。それと同時に、頭の出っ張った部分に対しては適度に圧力を加えることで頭のゆがみを矯正するメカニズムです。

 

治療期間は、主に治療開始時の赤ちゃんの月齢によって異なります。早く開始するほど、短い期間で終了できます。

 

※ジャパン・メディカル・カンパニーの『アイメット』・『クルム』においては、過去の作成実績が少なかったことから、現在お取り扱いをしておりません。

当院のヘルメット治療

当院では、小児科で3Dカメラで計測し、その後に脳神経外科医の先生の外来を受けるながれになります。異常が見つかった場合は、都立小児医療センターで診てもらうこともできます。

なお、お子さんがヘルメット治療の適応があると診断された場合、当院で頭蓋形状矯正ヘルメット(ベビーバンド)を作成することができます。

 

また、頭の歪み度を3Dカメラで計測し数値化することで、ヘルメット治療の適応を判断できます。(料金 10,000円(税込))

ヘルメット治療とは、生後間もない赤ちゃんの向き癖などによる頭のかたちの変形に対して、ヘルメットを装着することで頭のかたち状を改善させる治療法です。

 

治療方法は、頭の平らな部分にヘルメットで空間を作り、赤ちゃん自らの頭蓋成長を原動力として、丸みを帯びるよう成長を促します。

1日23時間、2〜6ヶ月前後にわたって装着をおこないます。

 

赤ちゃんの頭に圧力をかけてかたちを変形させるものではなく、赤ちゃん自身の頭蓋の成長を原動力にしておこなう治療です。

ヘルメットを装着することで、頭の平らな部分には成長を促す空間を作り、既に成長している丸い部分には成長を待機させます。

その結果、頭の成長に従って平らだった部分の成長が追いつき、頭のかたちが整います。

 

当院推奨のベビーバンドのヘルメットは、赤ちゃん一人ひとりの頭のかたちに合せてオーダーメイドで設計されるため、無理なヘルメットの装着はありません。

症例紹介

ヘルメット(ベビーバンド)着用の症例

 

スキャンデータ スタート時

計測結果

ヘルメット(ベビーバンド)着用データ

ヘルメット(ベビーバンド)着用経過

ヘルメット治療回避の症例

 

早期介入によりヘルメット治療を回避した1例

 

初診 2024年4月23日  生後1か月19日 女児 左むきぐせ

                                 他院出生(40w2d) 経腟分娩

 

2回目 2024年5月7日  予防接種1回目

 

3回目 2024年6月4日  予防接種2回目

            引き起こしOKで3D撮影する

 

4回目 2024年6月14日   あたまの形外来で井原先生の診察

 

5回目 2024年7月9日  予防接種3回目  3D撮影

 

6回目 2024年8月6日  BCG  8月10日 離乳食教室

 

7回目 2024年9月24日  6か月健診  

            髪の毛ふさふさで気にならなくなった

頭のかたち外来の流れ

頭のかたち外来の流れは、次のとおりです。

  1. 予約
  2. 受診
    1. 問診  
    2. 3Dカメラで撮影
    3. 井原先生の「あたまの形外来」を予約
    4. 医師の診察(視診、触診、全身の診察など)
    5. 頭のゆがみの重症度を判定
    6. 頭蓋骨早期癒合が無いことを確認後ヘルメットを作成

全身の診察、耳の位置のずれなども確認しながら総合的に診察を行います。 ヘルメット治療の適応判定をします。 保護者様とご相談の上理学療法での経過観察、ヘルメット治療をするのか今後の方針を決めていきます。

3.ヘルメット作製・治療開始・治療・経過観察

4.卒業

Step01

予約

電話で頭のかたち相談についての外来を予約
・住所と月齢の情報が必要です
Step02

受診

初診時に問診する内容
在胎週数 性別
分娩方法(帝王切開、吸引、鉗子分娩など) 第〇子(双胎か) 相談内容 向き癖(斜頭)、絶壁(短頭)、長頭、はちはりなど

3Dカメラで撮影

井原先生の「あたまの形外来」を予約

医師による診察
基礎疾患(水頭症、頭蓋骨早期癒合症)などがないか問診、触診、検査(レントゲン、頭部エコーなど)

頭のゆがみの重症度を判定

頭蓋骨早期癒合が無いことを確認後ヘルメットを作成

※ゆがみの原因に骨の病気が疑われる場合は、専門病院で精密検査をおこなう必要があります
Step03

ヘルメット作製

治療・経過観察

約1〜1.5週間
・3Dスキャンを行い、ヘルメットを作製
・ヘルメットを装着し、使用方法・注意点等の説明を受け治療開始

2〜6ヶ月
・ヘルメットは1日23時間装着
・装着時間はヘルメット治療記録アプリを用いて記録可能
Step04

卒業

ゆがみが改善されて治療終了

ヘルメット治療中の注意

・約1ヶ月毎に通院し、頭部・ヘルメットの状態を確認します。
・初回診察から卒業診察まで5回ほどの受診が必要です。

費用

料金 注意事項
ヘルメット治療 料金 38万円(税込) 3Dカメラ撮影費込み(治療前および治療開始後の評価のための撮影)
3Dカメラ撮影(ヘルメット治療前) 初回 10,000 円(税込 )
2回目以降 3,000円(税込 )
ヘルメット治療を開始する場合は、ヘルメット治療料金から3Dカメラ撮影の料金を減額します。
3Dカメラ撮影(ヘルメット治療後) 月1回まで無料(ヘルメット治療終了まで)

受診方法

<受診方法>

外来日:第1・3金曜日の午後(再診のみ)

初診の方:

電話(042-483-8811)にて予約をお取りください

(電話受付時間:月・火・水・金・土 9時〜17時)

※小児科一般外来(平日)での診察後に「頭のかたち外来」の予約を取らせていただきます

Reservation
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飯野病院は調布駅前の産科、婦人科、小児科、内科の総合病院です。

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